2022まとめ

1.5 年経たずしてイーハトーブから関東と信越つなぐ海なし県に転職&転居。ここ2年程で人生における Spontaneityが更に加速したが、いよいよ家庭形成に対する羨望が高まっている一方、自分の存在が何なのかさえ(A: 何物でもないのでDNAのバトンを繋ぐのが個人的にも親孝行的にも最適解なのが)分かってしまい震えている35(手前)の夜―。

 

転職:

2020年末に現職に辞意を伝えてから、首都圏辺境JTCにめでたく内定。ざっくり内定まで:

退職検討(転職開始) 後: 8カ月

退職宣言後: 5カ月

履歴書ポスティング:  150社

書類通過/1次面接:  15社

2次/最終面接:  5社

と新卒時(卒業3週間前に漸く内定)のポンコツ具合がフラッシュバックする苦戦。年齢・キャリア的にも次回が最後の転職となる。生産設備を擁するメーカーとそうでないメーカーは企業文化が全く違う事も痛感した。

 

転居:

現住の地方都市で数カ月暮らしてみて感じるのは、都心部一強というよりは、地方都市が周縁の村落人口を吸い上げている状況が垣間見えた。そしてこの流れは不可逆的で、大波に抗うよりは時世に合わせて乗りこなす事が賢明であるという一種の諦観にたどり着く。例えば、現住の都市はマンション(vs 東京の湾岸界限)でも戸建(vs 城東界限)でも東京の5~8分の1位の価格に収まっており、今後は都心部に比較的近い地方都市が周縁集落からの若年層吸い上げと都心部からの子育て世代流入で(都心部と比べても更に)活況していくのではないかと予想。

転職/移住によってサラリーマンとしての年収が少なくなるとしてもまず都心部対比90%を維持するのは硬いラインだし、事業者として転居するにしてもマーケットへのリーチをある程度維持したまま諸々固定費が抑えられる地方都市の盛り上がりは、今の地方都市に住んでいて感じる活況の様相とも合致する。

都心部にしがみついて住宅ローン返済に疲弊するより、地方都市で悠々自適に集約されたインフラと車(最も融通の利く Mobility)と適度に近い自然のある生活を享受するのが、賢明な選択肢である、とまた自身のランダムな選択の結果を肯定的に捉えていきたい。

 

北東北ツアー:

GWとお盆時期に北東北を中心に周遊。関東在住時には中々足を延ばすのが億劫であろう各地をゆったりと観覧できた。色々と目玉があったが、特に印象に残ったのは恐山とねぶた祭。はるか昔にシャーマンキングでぼんやり印象づいた恐山は「賽の河原」を正に具現化したような場所でなんとも異世界感漂うパワースポットであった。温泉もついでに入れるのも乙。コロナ後初のねぶたでは、例年に比べ規模は小さかった様だが、それでもねぶたの技巧と祭りの熱量に圧倒された。感動を共有できる相手がいないので、単独で行かざるをえなかったのが悔やまれる。五所川原や弘前でも「ねぷた」という呼称で祭りが敢行されており、五所川原の立佞武多(たちねぷた)は縦のスケールがより圧巻という事で、いつか行ってみたいものである(が東北離れると腰が重くなりそう)。

恐山

ねぶた祭り

ニューヨーク訪問:

転職前の会社にて、コロナ後の社会胎動を先取りして感じられるタイミングで出張。初めてのマンハッタンに圧倒された。米国は掻い摘んで訪問して、触りは理解しているつもりでいたが、米国内外とどの地とも異質なVibrancyがあった。現地住民がTimes Squareに早々行くものでもないだろうし、観光客を引き寄せる場所を主になぞったので、所謂Local(という定義も難しいが)の視点とは乖離はあるだろうが、melting pot の名前が相応しく、何者にもなれない独身中年でもマンハッタンにいるだけでドラマの主人公になったかのような非日常感に包まれる。家賃を聞いて血の気が引いたが、一時の夢を魅させてくれるには至高の場所。今となっては社長と大喧嘩したのも良い思い出。

Times Square

クライミング再開:

転居を機に2019年1月ぶりに再開。借上げ社宅も熟慮の上、駅近&会社近&ジム近の3方良しの立地を厳選した。車を利用するかしないが選択の余地があったのだが、前期の冬はアイスバーンスリップを2回発動、内1回は真夜中のレッカー車動員(小川山ゲート先で脱輪した後、甲府駅前でケッチって野宿後にExtreme 出社して以来の2回目)だったので、前職で買い取った軽自動車は傷物にしてしまったが返納し、クライミング再開も100%確定ではなかったので、結局自転車で通勤できる生活設計とした。幸い車のPickup&downの融通を利かせてくれるクライミングパートナーには恵まれているが、限界独身中年が高校生に交じって自転車通勤を続けるのは、車社会グンマーにおいて、伴侶パートナー獲得から遠ざかる仕草なので、自転車通勤のコンフォートから脱却したい危機感はある。再開後年末にちょこっと登ったなかで以下ルートを必要以上に堪能する事となった:

オタクノコザル:敗退した(主に花崗岩の)ルートを除いて、これまでの5.11 の中で一番苦労した。たまたまクライミング再開後に触ったということもあり、再度すぐに心を折られ辞めてしまいそうになった。短くボルダリーなのだが、ストレニでもあり、個人的にはかなり難しく感じたのだが、できる人はあっさりできる模様。計 5日間かけた自身災難の石灰岩のイレブン。その後に触ったペトルーシュカよりもRPまで多くの日数を要した。

 

その他Fads:

トップガンマーヴェリック:

劇場鑑賞経験として至高of至高。こんなに良作だとは思わんだ。今迄観た映画体験でこれに勝る経験が正直思い浮かばない。 白人ストロングメリケン礼賛の様な世界観なのかと勝手に食わず嫌いしてて前作も観てなかったが、これはとんでもない機会損失やった。ちょっと悔しいのは、best of bestの候補生の中 でnerdも女性もHispanic も黒人もいたけどAsianが最後まで残らなかったのが、ポリコレ云々ではなく現実としてアジア人がああいう爽快なCamaraderieの世界に切り込めてない現実が配役にも反映されているようで少し寂しかった。劇場で4回は観た(5回かもしれない)。

Don’t give me that lookって何回も出てくるけど何かのオマージュ??(前作まだ観てないからわからん) 後何か渋々肯定して“I will give you that“って言うの何かオシャレだから今世でパイロットとはいかないまでもKawasakiのバイクが似合う系男子になったら使いたい(今世は断念)

Top Gun Maverick

劇中のF-14(Tomcat、1974年運用開始)が気になり、三沢の展示機を見直すとF-16(Falcon、1978年)だった。

F16@Misawa

NANA:

Twitterのスペースにて激推しされており、冬場に通った温泉施設に備えてあったので、今更ながら履修した。少女漫画はこれまでライフと花より団子位しか知らなかったが、これはすばらしい。ドラマチックな展開の中で、人間の機微が(ドラマチックなイベントは易々と体験できないもののそれらを疑似体験させてくれるように)現実味と繊細さを以って描かれており、秀逸。男児がスカウターや懸賞金の多寡、ないし滅びのバーストストリームで一喜一憂していたお年頃にこんな人間模様色濃い作品を履修している女児達が男子を蔑むのも頷ける。

IWGP(池袋ウエストゲートパーク):

上に同じく、スペースで推奨されており、最寄の図書館の館内鑑賞ができたので、久方ぶりに(20年位前に観たGLAYのサバイバルぶり位に)VHSで鑑賞。長瀬男児の超アルファ雄感に男児も垂涎ものの、コンプラにまだまだ寛容であった平成初期バイブスにあふれる良作であった。こざっぱり変容してしまった池袋の各所を切り取ってくれていて、心の池袋の情景を切り取ってくれており、それもまた良い。

IWGP (VHS)

ゴールデンカムイ:

全話を無料開放というとち狂ったキャンペーンを集英社が行ってくれたのに乗じて、全話を一気読み、特に最後の90話は1日で。アイヌ文化の調べ具合の熱量は勿論、二〇三高地とか奉天会戦とか朧げながら坂の上の雲の記憶が掘り起こされるのも乙。終盤にかけてどんどんギアが上がる。素晴らしい点はあげればきりがないが、あくの強い登場人物がそれぞれ移り変わるゴールのためには私怨を引きずらずに、メリットが重なれば共闘する様子や、狂人の中にも劣等感とか過去の負い目とかの描写が妙にリアルでそのギャップもいい。後何と言ってもヒグマの使い方が秀逸。

正直不動産:

本作とブラタモリ視聴のために、NHKプラスが重宝した。同じくNHK製作の岸辺露伴同様、実写化が成功した稀有な例。

すずめの戸締り:

期待を裏切らず良かった!

・今回も自然とフィクション(想像)と写実のバランスが何ともいい

・起承転結の「転」がかなり虚を突かれた(2箇所)

・へばりついて離れない現実描写のやり取りのとこで口元の皺のアップが印象的だった

・終盤/物語全般の解釈に抽象度増して鑑賞者により余地の揺らぎが出来た感じ

・オマージュいっぱいあったみたいだけど、冒頭から水の神殿中ボス(ダークリンク)部屋感が頭に焼きついてからのモーファ(名前が思い出せず只管ゾーマが脳内反芻されてた)とボンゴボンゴとヴァルバジアの亜種みたいなゼルダの世界観を観た

丁度今年件の地域を訪問した事もあってか、記憶が薄れていく中で楔を打つ様なテーマはクリエーターとしての業もメッセージも感じた。 しかしヤングな青年男女が織りなす甘酸っぱい描写はそろそろ限界中年には現実とギャップがありすぎて辛い。 奇しくもFBでExが結婚報告をあげており何とも諸行無常。。

すずめの戸締り

流浪の月:

望外に良作。チケット貰えたので「爆美男美女を目の保養に」位にしか思って無かったが、演者(特に広瀬横浜子役諸氏)の機微、プロットの切り出し方、タイトルの伏線等どれも綺麗で(終盤は当事者でないので余りピンと来なかったが)松本の街並みも魅力的で長い割にずっと程よいテンションが心地良い没入に誘ってくれた。

ブレットトレイン:

期待を超えるトンチキ。日本のデフォルメ曲解とスプラッター(というかチョンパ)描写が正にキルビルを彷彿とさせる。プロットも程よく二転三転でオモロい

Bullet Train

1人カラオケ:

転居初日には引越後の鍵の引き渡しができない予定であったため、1泊分の周辺の宿を当日に探すが、7~8,000円超であり翌入居できる宿があるのにお金かけたくないという吝嗇家根性が発動。快活クラブなど満喫系を探してみたものの、駅から遠いので、検索続けた所、駅前に翌朝まで営業のカラオケ店がある事を発見。どうやら随分安そうなので、平日深夜のフリータイム料金で利用する。当初は寝床としてのみ利用予定であったが、一通り施設・提供サービスを利用したい貧乏性欲求が発動し初の一人カラオケを敢行。これになんともハマる。なにが良いかというと本当に自分が歌いたい唄が歌える(他者がいないと音程等外していてもダメージ喰らわない)のが非常に乙で、睡眠時間を削って、一人カラオケが長引いた。若干の仮眠後の支払では、驚愕の税込み1,000円程度だったので(7時間程度滞在)、完全なコスト割れ(同時間帯に恐らく2組4-5人程のみ利用)は心配だが、一人旅旅行時に宿代をケチりたい時には一人カラオケ+日中温泉スキームはかなり有用なライフハックであるとの教訓を得る(こんなことをしていると限界独身まっしぐらである)。

 

最早指折り数えないとわからなくなった転職回数ではあるが、これまた転居を伴う刺激の衣替えが新鮮な状況なので、暫くはグンマ―界隈でクライミングやらポンコツリーマンをのらりくらり継続する所存。ただ、ぼんやりとはある家庭形成・DNA継承欲求を本腰いれて喚起しなければ、安穏として(介護以外)「なにも起きなくなる」人生を歩む事になりそうなので、伴侶探しはちゃんとやりたい(とここ5~6年同じことを反芻している)。