2023まとめ

起伏が無かったようで寧ろかなりあった1年。刹那に身を任せ、とにかく尻上がりに多幸であった。

1~3月:
前年はイーハトーブ最北端で氷点下水風呂などのセルフ苦行で悶えていた事にくらべるとましだが、関東と信越つなぐ平野(@RC造角部屋)での越冬もまぁまぁ寒い(基本暖房はつけない)。クライミングでも初めての故障が入り、のらりくらりと春を待つ。

4~5月:
なんといっても小豆島ツアー。3月頃にWallstreetで読んだRock & Snow 98号の記事が刺さり企図。岩がボロい以外は言うことなし。宿題もできたので、カレンダーに恵まれないシルバーウィークは避け11月の飛び石連休に再訪する(ためにパートナー探しに奔走する)事を決意する。

経団連の横睨みベア賃上げの恩恵を享受する。何気に平成中続いたデフレ脱却の胎動を感じた。(ものの10月の社会保険料改定で手取り給与下がってて絶望する)

6~7月:
凪。仕事においては若干の繁忙でお局系(非直属)上司と心労の嵩む東マレーシア訪問。岩場にもあまり行けなかったのでこの頃は婚活注力にシフト。
結婚相談所2か所(地場&大手)にヒアリングし、母集団が多そうなので大手への入会を視野に入れたが、10万を超える入会金にたじろぎ、とりあえずマッチングアプリ有料会員を再開する。「いいね」のスパム乱打で 塵芥(ちりにもあくたにもなろうという気概を持ってカーテン爆撃)戦術を展開し、緊張感を持って結婚相談所の入会の検討を加速させる(検討士ムーブ)。

8月:
とてもspontaneousでimpulsiveでpromiscuos (個人比べ)でlife-altering あった1カ月。

一カ月という限られた有料会員期間内でのROE最大化のためマチアプスパムハックに磨きがかかる。exの面影を探す拗らせ限界中年ムーブが板に付いてきたころ、狙い通りにexの揺曳がする淑女と地元の花火大会でのランデブー予約を取り付ける。3週間程期間があくので、そぞろに浮足立つ。

そんな中、まさかの母国に帰ったEx(本体)から日本訪問のお知らせが舞い込む。「女性は別れた相手に連絡を取るという行動様式を持ち合わせていない」という統計的知見(n=2)を基に、今更コンタクトを計ってくる狙いは測りかねたが、(上段のEx揺曳淑女との先約があったものの、日和見チャンスが頭の片隅にありつつ)ちゃっかり再会の打診をする(確信犯)。何故かOKの返答で、Life-time非モテ拗らせismを体現するワイに訪れた突然のモテ期確変到来に脳内森山未来が騒ぎ出す。

嬉しい囚人のジレンマ到来だが、時間軸的には、
Ex揺曳との予約 > Ex本体からの連絡&会合 > Ex揺曳との花火大会 という順序の(+常にOpen relationshipでコッミトしていない)ため、グレーに近い白であると倫理咀嚼した。(こんな日が人生で来るなんて思わなんだ)

そしてここが拗らせ中年の拗らせたる理由なのだが、Ex本体との再会に向けて(なぜか思考と感情の三段跳びを脳内補完し)とりあえず有給を使って役所で婚姻届を調達し、自身の記載部分を埋めておいておく、という抜かりない独りよがりムーブを発動しXデーに向け準備する。

あまり期待せず向き合ったEx本体との凡そ3年ぶりの会合では、とりあえず先方のフィールドが無防備であることを確認した上で(何故に連絡を寄越したのかは後で聞いてみても謎?のまま)、早速「記入済みの婚姻届け」をサプライズ召喚し、目論見通り先方への先制攻撃は「こうかはばつぐんだ」の様相。しかし、特に子供を持つ事への温度感に差異があることが分かり、その場での返答は貰えず、一旦また国外に出る先方と暫しの別れ(とあくまでOpen relationshipを一旦維持する事※※)を確認する。(※※こういう感じで保険を敷くのは本当にご都合主義者に成り下がってしまった感ある。昔は無垢だったのに。。)

倫理感の狭間に揺れてはいたが、(口頭の)額面通りでは契約不履行はないという謎のご都合主義的解釈のもと、Ex揺曳とは花火大会でのランデブーは(以下略)あったのだが、その後のスケジュールの段取りの些細な諍いをもつらせて無事爆散。Ex本体の面影を追っていてアプローチしていた事もあり、一層本体の尊さが身に染みいった上、選択肢も一択となったので、次回12月の日本再帰国時に向けて、ここがけじめのつけ時だと腹を括る。

いやはや怒涛の1カ月であった。。

クライミングはほぼお休みだったが、お盆に甥っ子の小川山での初クライミングデビューも扶助。我ながら子供&初体験者にとって良い場所をチョイスし、近くのジムも推薦したものの、その後は継続していない模様。

9月:
Ex本体(spouse-candidate)は暫し国外(文字通り地球周遊)で気もそぞろになるので、再び岩登りに焦点が移る。旧ホームジムのT-wall閉店があった&暫く外岩のお話もなかったので、T-Wall最後の週末に鈍行で往復6時間かけて、江戸川橋に向かう。顔なじみの面々と旧交を温め、シルバーウィークからの甲府幕岩詣につながる。クライミング中断前の宿題「風になれ」に着手し、思い返し便で各パートのばらしはできる事を確認。

10月:
わざわざ甲府まで電車にて通うものの、宿題を登れない悶々とした週末が続く。何より新しい課題触れないのがつらい。。

11月:
飛び石連休の小豆島赤嶽ツアーも見えてきて、いよいよシーズン越えが頭にちらついた頃に安堵と歓喜の「風になれ」RP。今までで断トツに頑張ったので、宿題開放の安堵より歓喜のが大きいのは珍しかったし、今後のRP苦行に向けての耐性がやや付いた気がする。

小豆島赤嶽ツアーでも、初日に宿題回収ができ、クライミング的には大満足。

加えて、最近は外岩パートナーというより、「近所のお値打ち不動産を紹介してくれるBot」になりつつあったホームジムのKSさんにお宝物件の情報を頂く。速攻で現地訪問し、自宅購入(+ローン無し!)の夢が一気に広がる。

12月:
前月の快進撃で外岩モチベが高かったので、あまり良い噂を聞かないが暖かいとの触れ込みで佐久志賀の岩場にKSさんと初訪問。ここでもOS祭りとなり、ホクホク。一方で二子弓状の傾斜にやられて肩をぶっ壊しそうな兆しで萎えポヨだったが、GooFeeでの100課題(×3)もあり、年末年始のラオス遠征に向け外内どちらも充実したトレーニングができた。

自宅候補の現地内見では、ポータル掲載当日で 13人問い合わせ(翌日掲載取りやめ)> 内見6人 > 買付5人 という高倍率を潜り抜け、無事契約の運びとなる。KSさんには本当に大きな借り(弱み)を作ってしまった(が深謝!!)。リフォーム要のため、来年は岩場に行かない週末はDIYに勤しみ、限界独身中年の謎の2(or 3?)拠点生活が始まることになる。

Exもめでたく地球周遊から日本帰国となり、再会する。何故か2か月程スキー場の住み込みバイトに向かうらしく(いやはや他人のこと言えないが、なんとも刹那・直観的なムーブが板に付いていて「同じ穴の貉」感がある。。。)数日だけ再会。子供への捉え方の差異は残りつつこちら側に寄り添ってきてくれたし、自宅購入も決まったので、説得に畳みかけをかける。概ね本人の同意は取り付け無事to-be-fianceに昇格できたものの、先方両親(@広州)へのご挨拶が入籍の要件となった。来年にかけて外岩で消費しがちの有給マネジメントのハードルが一層上がったものの24年2月の先方ご両親挨拶行脚のフライト&有給を確保し、此方もClosingまでの道筋が見えてきた。しれっと先方から自宅購入用の高金利での短期貸付も取り付けたため(@折り込み広告チラシの裏面に貸借覚書き作成)、財務的にも心理的にも結束が強まる。究極的にはお互いトンズラこける(=>ワイ:借金踏み倒し、先方:婚約破断)ワケで、我ながら婚前前に中々に難度の高いゲーム理論実践編展開したものである。

To-be-fianceeは謎のスキーリゾートバイトに旅立った後、クリスマスイブ決済&凍える中自転車を走らせ初DIY(表札にガムテープ貼るだけ)を完工し、クリぼっちの新たなる形を開拓する。職場でも閑散モードになりつつあった中かこつけて、ラオスツアーの調査をちゃっかりしながら仕事納め。 文字通り「師走」の繁忙となる。

計画やら準備とは無縁(だが打算は沢山)で、刹那と衝動に身を任せた一年。
結果としてSerendipityを色々と呼び寄せる事が出来た。
来年はもっと楽しくなるよね?ハム太郎。

 

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古畑任三郎:
仕事の閑散期にベルさっさ(定時上がり)し、最寄りの図書館の視聴覚コーナーで懐かしのVHSで鑑賞。田村正和さんの演技は議論の余地がないが、三谷幸喜の才能が迸る秀作揃い。刑事コロンボにインスパイアされた部分はあるのだろうけど、田村さんのぶれない名演に支えられて、唯一無二の作品として昇華している。この頃(平成初中期)のドラマは名作揃いだが、その中でも群を抜いて面白い。ブラックアウトするメタ演出や犯人を追い込むソクラテスメソッドなど定番の型もあれば、毎回気になる導線・ツイストもあり、推理と思惑を巡らせる余白を充分に残してくれている。お気に入りは(順不同):クイズ王(唐沢寿明)、将棋棋士(坂東八十助)、時代劇俳優(小林稔侍)、超能力者(石黒賢)運がない男(風間杜夫)、キムタク(SMAPとしてのグループ出演もあったが、研究者役として単独出演の方が乙)、桃井かおり(ラジオDJ)、山口智子(花道家)、明石家さんま(弁護士)、松嶋奈々子(脚本家)など寧ろ全部秀作。ゲスト出演の犯人も粒ぞろいで平成TVのバイブスも感じられる。

古畑任三郎

 

THE FIRST SLUM DUNK:

4回位みた。勿論全部いいのだが、ドラマというよりも試合の躍動感とテンポに感動した。

THE FIRST SLUM DUNK

Everything Everywhere All at Once:

きらいじゃないトンチキ。でもかなり人を選ぶ。

Whiplash(セッション):
トップガンのルースター役がオーケストラのマエストロの師匠とW主演。傑作。
実家帰省時に無料配信終了間近という事でアマプラで。(マウントのやり取りやら、師匠とのバーでのやり取りやら)人間模様が必要最小限ながらもで過不足なく描かれている。特に良いのはダラダラとドラマが冗長にならず、最後まで緊張感と不透明感が続くプロットに瞬く間に没入できた作品だった。師匠の好演は勿論、ルースターも本作がキャリアのとっかかりになったのかと思われる。クライミングに固執していた時期は少し共感できる様な場面もあり、常軌を逸した狂気を描いているようで、人生の大部分を犠牲にして何か没頭した人間には刺さるものがあると思う(その結果が芳しくなかったものであればあるほど)。それでも人生は続くがその中で「パッと光って咲いた」経験に手が掛かるような描写とそれらに(色んな面で溝が深まってしまった)師弟が共鳴する刹那がクライマックスに描かれており、駆け抜ける様な最期。忘れた頃に何度でも見たい傑作。演奏部分気になったのだが、Stunt Double を利用しているらしい。でもかなりルースターも頑張ったと(素人なりに)推察する。

Whiplash(セッション)

Triangle of Sadness (逆転のトライアングル):
恣意性のある広告に惹かれたがよくも悪くも望外のサプライズが多かった。誇張表現が分かり易くて良い。最初からsubtleでない違和感がありありなのだがトンチキフルスロットルになった頃にはプロットの顛末が気になって、長い割にずっと楽しめた。米露のノンベェのクオート合戦のくだりは北欧的明瞭性(対義語:フランス映画の曖昧さ、みたいな感じ)を持ってしてスノブな笑いをspoonfeedしてくれ、アンチポリコレの痛快さも随所にかつ明快に散りばめられているのだが、これらの主義主張が鬱陶しくないのが巧い。最後の疾走まで先入観あってもなくても楽しめる良作。

Triangle of Sadness (逆転のトライアングル)

 

RRR:

恐らく10年ぶり位のインド映画鑑賞(オマーンのMuscat-Salalah間での夜行バスで半強制的に観たダンス多めのボリウッドムービー以来)。ボリウッド版トンチキとバイオレンスとover-the-top(やりすぎ)な脚色と英国への(然るべき)怨嗟多めの「イングロリアス・インファーナル・大岡越前・ミゼラブル・座頭市・キルビル(じゃなくてスコット)・バスターズ•アフェアズ」といったところ。万年の宗主国への怨みつらみを余す事なくぶちまけててとにかく痛快で面白い。3時間超で結構集中力欠きそうになるがドラマチックな展開で飽きが来ない。インドは多言語国家だからか、アンニュイな言葉や機微では万人に訴求できるはずもなく、鬱陶しいくらいの演出と勧善懲悪と暴力と積年のアングロフォビアをぶちまけてくれている。

RRR

 

君たちはどう生きるか:

・宮崎駿、齢80を超えてボボボーボ・ボーボボの境地に至る

・主人公が吉良吉影ないしホルマジオの異世界転生スピンオフの作成を強く切望する

・賛否の「否」多めなのが分かるがもう一回観たい(特に最後)

・説教臭い題名と宮崎駿の年齢に若干不安を感じたが、題名との脈絡見えず笑った

君たちはどう生きるか

 

Life is Climbing:

ドキュメンタリーとしても楽しめたし、クライミングの解像度と照らし合わせてより楽しめた。

フィクション作品と同じ感じで、作品のテーマとか意義とかメッセージとかを前のめりに探しながら鑑賞してたのだけど、
小林さん、鈴木さん(含めた作品内で紹介された方々)の人生との向き合い方であったり歩んできた軌跡が結果として(鑑賞者にも訴求する)強い文脈やメッセージを産んでいる(という至極当たり前の)事に気づく。

そして彼らのクライミングや人生への向き合い方は、丁度良い塩梅で(作品内の断片ではあるが)尊敬と羨望と共感も感じれるものであった。

特に響いた備忘録:
・小林さんの「見えてた過去との擦り合わせをしたい」
・友人の西山さんの「税金を納めたい」
・エリックの“put your life in the hands of others”

クライマーポイント:
小林さんの保持持久力の半端無さが随所に垣間見えた。視覚情報がない事でホールドと体制の保持が要求される上、且つ心地よいレストポジションも容易には作れない中でシェイクもままならないまま、延々と保持を要求される場面が圧倒的に長いことが分かる映像だった。だからこそ鈴木さんが投げかけるコール(タイミング、言葉のチョイス、声量等々)が肝要なのであろう。

Life is Climbing ライフ・イズ・クライミング!

West Side Story:

地方都市にわざわざ巡演しにきてくれた。所謂ミュージカルのクラシックにあたるであろう本作は映画もミュージカルも観たことなかったのだが、所謂クラシック(の礎があったことで後続の名作が産まれた)という点を差し引いて他作品と比べると少しプロットは刺さらなかった。チケット代ケチって(というより予約時には最安席しかなかった)演者までの距離凡そ60m位だったのも臨場感が少し欠けた。(この位強制俯瞰出来れば仕事もきっと捗るが舞台演劇には向かない)。ただ、群馬県で7000円で英語演劇観れるのはありがたい(もっとやれ!)

West Side Story
West Side Story

クエンティン・タランティーノ「映画に愛された男」QT8: The First Eight:
QTは生涯で10本の作品のみを作る予定らしく、これまでの8本を周辺関係者に聞いて追想していくスタイル。8本中5本しかまだ観ていない状態で観たため(故に壮大なネタバレを喰らったw)にわかファンでも充分楽しめた。
欲を言えばユマサーマンとワインスタインのくだりで明らかな変調があり、突っ込むのは難しいのは分かるものの、もう少し掘り下げて欲しかった。

クエンティン・タランティーノ「映画に愛された男」QT8: The First Eight

レザボアドッグス: こりゃあ面白い。上段QT8の中身を忘れたころに観たため、ネタバレも気にならなかった。

BAD LANDS:

(デストラクションベイビーズ的サムシングを求めて)ジャケ写鑑賞で久し振りの大当たり!だが劇場では寂しく閑古鳥ソロ鑑賞。。演技もプロットも脚本も映像も秀逸で何より(恐らく入念な下調べに基づいたであろう)アングラ方面の描写に作品の熱(と鬱陶しいレベルではないロビンフッド的左傾思想)を感じた。強いて言うなら、セリフが少し洒落込みすぎてて聴き取り辛かったのと、無理して(アングラ方面より一気に解像度がガクッと落ちる)エンジェル投資家とかビットコインとかハイカラ的サムシングを差し込むんではなくて、アングラ西成一辺倒で行ってくれてればより一層プロットに凄みが出た様な気がして実に勿体無い。。が間違いなく良作なので是非(興業的に)善戦してほしかったところ。

BAD LANDS